大手IT企業でマーケティングを行っているテリーです。
新卒で入った会社を27歳で辞め、ワーホリ2年、海外放浪1年を経て、30歳で帰国、未経験だったIT業界に転職。
そこから経験、知識、スキルを身に着けて、新卒ではなかなか入れない大手企業に転職をしました。
キャリアに傷が付くとまで言われるワーキングホリデーに行き、1年どころか3年もフラフラして、30歳を過ぎてから僕がどのようにキャリアを構築してきたのか書いています。
ワーホリ後のキャリア構築に悩んでいる方、そもそもブランクがないのに思うようにキャリアアップができない方のご参考になればと思います。
ワーホリ後の就職・転職活動のリアル
ワーホリ後に帰国して、転職活動を行う中で感じたことを書いていきます
キャリアブランクを気にされるのは、帰国直後1社目
ワーホリ後にキャリアのブランクを1番気にされるのは、帰国直後の1社目です。
ワーホリ直後の転職活動では ワーホリについて様々な質問をされました。
「なぜワーキングホリデーに行ったのか?」
「 キャリアに傷がつくと思わなかったのか?」
「 海外生活で何が身に付いたのか?」
転職活動にあたってはこの辺の質問に対する回答は準備しておく必要があります。
あとで具体的に書いていきますが、日本では経験できないこと、発見、勉強になったことなどを語れる準備をしておくと良いです。
ワーホリは転職を重ねるとあまり懸念材料にならない
私は現在ワーホリ帰国後4社目です。
転職のたびにワーホリについて聞かれることが少なくなります。
「どんな仕事をしているのか」
「どういうスキルを持っているのか」
「どれだけの成果を出したのか」
といった話題が中心になります。普通の転職活動と変わらないです。
なので、ワーホリ帰国後直後の1社目は”社会復帰”と割り切っても良いと思います。
そこで成果を出して、本当に行きたいところ、やりたい事を次の転職で実現すれば良いのです。
社会復帰とは言っても”やりたいこと”に繋がる仕事、職場を選ぶようにするようにしましょう。
僕自身の経験で言えばズバリIT系への転職がオススメです。総じてIT系は成長企業が多く、身につけたスキルはどこへ行っても通用しやすいものになります。
大手企業でもIT人材は不足しがちなので、ITスキルを高めておけばその後の転職も優位に進められます。
帰国時に20代なら第二新卒と変わらない
私は30歳の時にワーホリから帰国しました。
転職はまぁ苦労はしましたが、帰国時に20代であれば第二新卒とほぼ変わらない扱いです。
そこからワーホリ前と全然違う業種、違う仕事を志しても大きな不利にはなりません。
僕の場合はワーホリ前は製造業営業、30歳で帰国してIT業界に転身、銀行を経由して再びIT企業でマーケティングを行っている私が言うのだから間違いありません。
ただし、30歳を過ぎても海外で生活をし続けるのはあまりオススメできません。
ワーホリを延長させたり、他の国にワーホリ行ったり、就労ビザをもらったり、海外生活を延長させる手段はたくさんあります。
そこに明確な目的があるなら問題はありませんが、ただ楽しいからと言う理由で海外生活を延長させるのは将来的にかなりのリスクがあります。
今さらながら、僕ももうちょい早く帰国して、キャリアを構築していればと後悔することがあります。
帰国後の転職活動〜マインドセット編〜
ワーホリ帰国後に私が行ったキャリアアップの具体的な方法を説明する前に、必要な考え方・ マインドセットを紹介します。
転職活動に始める前に心に留めておいてもらいたいことです。
ワーホリはキャリアアップに繋がらない
ワーキングホリデーは基本的にキャリアアップに繋がりません。
- オフィス系で海外企業にインターンする
- 看護師、保育士で海外の現場を経験する
- 料理人で有名レストランで修行をする
キャリアアップにつながるのはこれくらいではないでしょうか。
オフィスワークの人が飲食、販売、ハウスキーパーの仕事をしても、何のキャリアアップに繋がりません。
「ワーホリでキャリアアップするんだ!」という考えは捨てましょう。採用する側は「ワーホリ行って、遊んでたんだな」くらいにしか思ってくれません。
バリキャリ志向の人はワーホリには行きません。
ワーホリに行ったことは再就職・転職にとってマイナスくらいに思っておいた方が良いです。
語学力は大前提だけど唯一のウリにしない
ワーキングホリデーでは過ごし方によって語学力を身に付けることができます。
僕は日本人がいないイタリアンレストランでクック、住む場所は現地人男性3人でシェアハウスと日本人がいない環境に身を置くことで英語力を身に付けることができました。
ジャパレス(日本食レストラン)で働いて、日本人同士でつるんで・・・、という生活では語学力は一切身につきません。
それはそれで楽しいかも知れませんが。
ただ、覚えておいてほしいのは、
ワーホリで学んだ英語・語学力はガチ勢には敵わない
ということです。
今の時代、日本にいても語学を学ぶことはできます。
日々仕事で使っている商社、外資系の人たちのレベルにはなかなか達しません。もっと言えば、帰国子女や海外大学卒業した人たちにはまるで歯が立ちません。
とは言え1年でも海外生活があるなら、採用する企業側としてはそこそこの語学力を期待しています。
英語ならTOEICスコア640以上、英検は準1級くらいの資格は取っておきましょう。
これは最低限のレベルです。
「ワーホリで遊んでただけで、英語が全然身についていない・・・」
という人も結構な頻度で見かけますが、そうだとしても上記の語学力くらいは死物狂いで身につけてください。
英語圏で暮らしていたのに英語が全くできない人を採用したいという企業はありません。
ワーホリで得た経験を言語化して仕事に活きることをアピールする
当然海外では日本とはまるで習慣や文化、考え方が違います。
国によって様々ですが総じて言えるのは、
- 自己主張が求められる
- 自ら考えて行動を起こす
- コミュニケーション大事
といったことです。
こうしたことを海外生活で身につけた、磨きを掛けることができ、それが仕事にどのように活きるのかしっかりと言語化しておきましょう。
自己主張が求められる
自分の考えや思っていることは言葉にして伝えないと伝わりません。
「察して!」という甘い考えは通用しません。
物怖じせずに自分の言葉を相手に伝えてきたことは貴重な経験になるのではないでしょうか。
「海外生活では自分の意見を言うことが求められました。相手が上司・マネージャーであっても『私はこのように考えます』『私はこのように行動したいです』といった形で意見とその理由を述べるように取り組んでいました。レストランのキッチンワークにおいて料理の提供が遅れることが多々ありました。そこで役割分担を明確化して、手が空いたタイミングにはディッシュウォッシャーの仕事に入るといったシステム化をシェフに提案し、それを実践したことで料理の提供が滞りなく行われるようになりました」
このような形で、自己主張をしっかり行うことでどのようなメリットを職場に与えられたのか、エピソードをしっかり伝えられるように準備しておきましょう。
自ら考えて行動を起こす
ワーホリでは仕事を探すにしても、求人媒体に頼っていては駄目だったと思います。
その会社やレストランにレジュメを添付したメールを送る、もしくは直接訪問して採用担当に会わせてもらってレジュメを渡すくらいの行動が求められます。
ワーホリではこれくらいの経験をしてきたかと思います。このような経験も評価されると思います。
「海外生活で仕事を探すとなるとネットの求人情報に頼ってばかりいては駄目でしたので、自らレジュメ(職務経歴書)を持って企業・レストランに直接メールで送ったり、持参して採用担当に会わせて頂けるようにお願いをしていました。それだけでも熱意が足りないと思ったので、『私を雇うメリット』をしっかり組み立てて言語化して採用担当にアピールすることで採用を得ることができました。このように自ら考えて、行動を起こすことを学べたことが、御社における営業活動で活きてくると思います」
社会人になって指示待ちの仕事しかしていない人はいっぱいいます。そんな中で自ら考えて行動した経験を具体的に語れればプラスの評価がされると思います。
コミュニケーション大事
エレベーターで会った見知らない人、コーヒーショップでテイクアウトする際に店員と一言、二言話すのが通常です。
今日の天気や遭遇した面白い体験なんかも話して、最後に”Have a good day!”
これくらいのコミュニケーションが求められます。
「私が特に鍛えられたと思うのはコミュニケーションです。日常生活でも、職場でも、常に一言二言の挨拶と会話をするのが普通でした。そこから会話が盛り上がり、良い友人となった方もいます。御社においては持ち前のコミュニケーションを通じてメンバーとの交流・親睦を深めることで、チームビルディングに貢献できると考えています」
日本では同じ職場では知らない人とは話すことは少ないと思いますが、そこを海外で鍛えたコミュニケーション能力で親交を図ることができるとアピールできれば面接官にも好感を持たれると思います。
どれも日本で仕事をするにしても評価されるスキルです。こうした経験、身についた習慣を明確に語れるようにしておきましょう。面接でワーホリの説明を求められた際には、こうした経験を言語化して説明することでプラス評価にできるのではないかと思います。
帰国後の転職活動〜具体的行動編〜
ここからは帰国後に私がとった行動を具体的に紹介します。
30歳から未経験業界で新たにキャリアを築き始め、今では大手上場のホワイト企業に入社することができました。
ワーホリ帰りの方だけでなく、割と誰にでも通用する方法かなと思っています。
ワーホリで得た経験と志望動機を結びつける
ワーホリで得た経験は「志望動機」や「会社にどう貢献できるのか」に結びつけるようにしましょう。
そうでないと、面接官からは「え、このひとワーホリ行って何してきたの?」となりかねません。
例えば、僕は次のように結びつけました。
- 海外では自己主張が求められました。例え相手がどういった立場にあったとしても、自分の意見や考えをハッキリ述べる度胸が身につきました。御社においては、クライアントへの提案や社内でのブレストの場面でしっかり自分の意見を述べることで、自身の価値を発揮してみせます。
- 仕事を探す際にはインターネットに出ているものに応募するのではなく、レストランにレジュメ(職務経歴書)を持参して、マネジャーに会わせてもらえるようお願いしていました。御社の業務においても、自らアクションを起こして仕事を取りにいき、事業の成長に貢献したいと考えています。
- 海外では見ず知らずの人ともコミュニケーションを取ることが求められました。たまたまエレベーターで居合わせた人と一言二言交わすことは日常でした。自身でもコミュニケーション能力には自信があるので、チームの活性化を図ったり、お客様との関係性を築いていくことに活かせると考えています。
このようにワーホリで経験したエピソードを、その会社でどのように活かせるか結びつけておきましょう。
面接でこうした会話ができれば面接官もあなたに価値を感じてくれると思います。
得意を活かせる or 成長性のある業界を選ぶ
ワーホリ前の職で身につけたスキルを活かせる且つ今後成長が見込める業界を選ぶようにしましょう。
僕は製造業営業→IT業界(デジタルマーケティング領域)に転身しました。
未経験での転職でしたが、”製造業”の知識、”営業”の経験を軸とすることで、内定を勝ち取ることができました。
最初に転職した職場はベンチャー企業で会社規模は小さかったのですが、そこでデジタルマーケティングの経験・知識を積み上げていきました。
そしてデジタルマーケティングを強みとして転職をすることで、数年で年収を大幅に上げることができました。
デジタルマーケティング領域はどこの業界でも人材が不足しているので、今でも色んな会社からお声がけを頂けてます。
注意してもらいたいのは、英語力を唯一のウリにしないこと。
上でも書きましたが、ワーホリで身につけた英語力はガチ勢には敵いません。
別のところで軸・強みをアピールしつつ、なんなら英語もそこそこ行けますよ!というスタンスでいることが大事なんです。
転職エージェントを活用する
転職エージェントは必ず活用すると良いです。
有名なところではリクルートエージェントとdodaの2社。
この2社には必ず登録して、物足りない場合はさらに別のところを探しておくと良いです。
転職エージェントを利用するメリットとして、
- 職務経歴書の書き方から面接のポイントなどアドバイスしてもらえる
- 面接後に企業側の印象などフィードバックしてもらえる
- 企業に後押ししてもらえる
といったことが挙げられます。
こうしたサービスを無料で受けられるので活用しない手はないです。
転職エージェントを使うからといって、必ずしもそこで紹介された先に転職しなければならない訳ではありません。
エージェントを使って、職務経歴書・面接準備を整えて、別の求人サイトや直に応募しても問題はありません。
実際に僕はリクルートエージェントとdodaを使って、たっぷりアドバイスをもらいながら、Greenで転職しました。
利用できるものは利用する、という精神が必要です笑
また複数のエージェントを使う理由としては、”相性”があるからです。転職のプロアドバイザーと言えど、所詮、”人”です。
”合う、合わない”は当然あると考えましょう。エージェントのチェンジもお願いできたりしますがちょっと心象が悪くなってしまうようです。
なので最低でも上記2社に登録して、合うところで職務経歴書を整え、面接準備もして、もう片方からは求人情報をもらうだけ、という使い方でも全然良いです。
次の記事で転職準備でやるべきことをまとめました。
ワーホリ後のキャリアで悩んでいるあなたに
ワーホリに行ったからといって、その後の将来・可能性が潰れてしまうことはありません。
私は30歳で帰国して、そこから知識・スキルを身に着け、自身の”強み”を確立して転職を重ねることで、新卒ではなかなか入れない超優良企業に高待遇で入社することができました。
まぁ、昇進レースの最前線に立って大企業のトップを目指すのはさすがに難しいかも知れませんが、それでも「上の下」「中の上」くらいの年収を得ることは全然できます!
ワーホリ帰国してキャリア構築に悩んでいても諦めないで頂きたいです。