【図解】SWOT分析って何？5分で理解できるように現役マーケターが解説

マーケター、コンサルタントが使う様々な分析フレームワーク。

その一つにSWOT分析があります。

こんな方に向けてSWOT分析の概要から、進め方、そしてどういったシーンで使えるのか、などを現役マーケターの視点で解説していきます。

SWOT分析とは？

SWOT分析は「スウォット分析」と読みます。

SWOT分析の名前の由来は、

Strength＝強み

Weakness=弱み

Opportunity=機会

Threat=脅威

の4つの頭文字を取ってできています。

4つの要素を洗い出し、自社や商品・サービスが持つ特徴とそれらを取り巻く環境を正しく把握・分析することで、経営戦略・事業計画・販売戦略を策定する方法です。

会社の戦略だけでなく、就職・転職において自己PRの内容を組み立てる際にもとてもに有効なんです。

SWOT分析の進め方

SWOT分析の横軸は内部環境（SW）と外部環境（OT）に分類して、この軸で要素を洗い出します。

内部環境（SW）とは会社、製品、自分自身といった形で、自らのコントロールできるもの。

反対に外部環境（OT）は市場、社会情勢といった自らコントロールできないものが該当します。

内部環境（会社や製品の強み、弱み）は外部環境（市場、社会情勢）に大いに影響されるので、外部環境の分析から始めると進めやすいです。

外部環境分析

外部環境は市場、社会情勢、政治などが当てはまります。

代表的な項目としては次のようなものです。

• 市場規模、成長性
• 経済状況
• 政治の動向
• 法律
• 競合の動向

ただし、これらは業界や分析対象により異なる点に注意です。

まずは自社および製品の売れ行きに影響を及ぼしそうなものを洗い出し、「Opportunity=機会」「Threat=脅威」のどちらに当てはまるのか分類をしていくと良いでしょう。

ちなみに外部環境分析に適したフレームワークにPEST分析と5フォース分析というものがあります。

PEST分析

マクロ環境分析のフレームワークです。

• 「Politics：政治」
• 「Economy：経済」
• 「Society：社会」
• 「Technology：技術」

この4つの頭文字を取ったものがPEST（ペスト）分析です。

5フォース分析

業界構造を分析するフレームワークです。

• 新規参入業者の脅威
• 買い手の交渉力
• 供給企業の交渉力
• 代替品の脅威
• 業界内の競争

これら業界の収益性を決める5つの競争要因を基に分析を行います。

内部環境分析

次に「Strength=強み」「Weakness=弱み」の内部環境分析を行います。

外部環境を踏まえて、決して主観的にならずに分析をしましょう。

主な項目としては、

• 知名度、ブランド力
• 企業規模
• 資源
• 拠点
• 製品スペック
• 技術力
• 生産体制

といったものが挙げられます。

要素がそろったらクロスSWOTで戦略を考える

SWOTのすべての要素がそろったら、クロスSWOTで戦略を考えます。

クロスSWOTは各要素をかけ合わせて、戦略を考えるもの。

基本セオリーは次の通りです。

S×O（強み×機会）

強みを機会に活かして、成長する。いわゆるイケイケドンドンの状態です。

S×T（強み×脅威）

強みを活かして、脅威を退ける。脅威に合わせて強みを変化させれば、逆に機会ともなります。

W×O（弱み×機会）

弱みを克服して、機会を迎えに行きます。

W×T（弱み×脅威）

弱みを受け止めたり、脅威を避けることで、悪影響を最小限にとどめます。

身近なものでSWOT分析のやってみる

ここからはSWOT分析から戦略を立てるまでの一連の作業を実践してみます。

テーマは元熟女系セクシー女優AS

男性の方なら一度はお世話になったことがあるかと思います。

なぜこのテーマなのかというと、セクシービデオ業界で仕事をしている方とお酒を飲む機会があり、「セクシービデオ業界には実年齢より年上で偽る”逆サバ”がある」という話を聞き、衝撃を受けました。

上記の元熟女系セクシー女優も実年齢よりかなり上に見積もっていたそうです。

そこで彼女をSWOT分析してみると面白いかもと思ったので、実際にやってみます。

SWOTに分解する

それでは元熟女系セクシー女優ASをSWOTに分解してみましょう。

Strength（強み）

• 整った顔
• スレンダーな体型

Weakness（弱み）

• 20代中盤〜後半（セクシービデオ業界では10代、20代前半デビューが当たり前）
• バストは小ぶり
• 美人ではあるが、”超”が付くほどではない

強みに「美人」と書いて、弱みでは「絶世の美女ではない」としました。街中でいたらかなり美人なのですが、業界内で見ると「そこまでではない」というレベルです。

男性陣なら「ああ、確かに」と思って頂けるのではないでしょうか（笑）

Opportunity（機会）

• 熟女ブーム
• 本当のおばさんが多い

Threat（脅威）

• 年齢は毎年増える
• 台頭する若手女優

クロスSWOTで戦略を考える

洗い出した要素をクロスSWOTで考えてみましょう。

S × O（強み×機会）

美貌とスタイルで熟女ブームという機会を迎え撃つ

S × T（強み×脅威）

テクニックや雰囲気など熟女の持つ魅力で若手を退ける

W × O（弱み×機会）

熟女バイアス「この年齢なのに！？」で弱みを強みに変える

W × T（弱み×脅威）

熟女という若手女優とは違うフィールドで勝負する

年齢を重ねても熟女なら迎合される

出来上がった戦略について

女優ASは実年齢27歳としましょう（あくまで仮説です）。

年齢35歳の熟女としてデビューさせることで、年齢を重ねても熟女フェチ心をくすぐる息の長い女優となる。

35歳の熟女というバイアスにより、シミ・シワのない27歳の肌は輝きを増す。

巨乳ではない締まった身体も35歳バイアスにより、よりストイックに努力をしたことを想像させる材料となる。

つまり、27歳のちょっときれいな女性も、35歳と偽ることで『奇跡の熟女』のような形で売り出すことができ、希少価値を演出することができます。

SWOT分析の利用シーンについて

マーケティングやコンサルティングの仕事をしていて、実際にプロジェクトメンバーでSWOT分析を行う機会は少ないかも知れません。

しかし、事実や考えを整理するのにSWOT分析は非常に有効です。

例えば、

• 新商品の販売戦略会議がある
• 転職の面接に向けて自己PRを考える

といった際に自身でSWOT分析に取り組んで見ると、良いアウトプットが出せるようになります。

思い付きで発言した意見は往々にして根拠や具体性が欠けてしまいがち。

そうならないために、自分の考えと取り巻く環境を客観的に分析するためにSWOT分析はとても使いやすいものです。

フレームワークは使ってみて、初めて身につくもの。

最初は不十分な出来でも、繰り返し行うことでより良いアウトプットが出せるようになります。

ビジネスパーソンとしてぜひSWOT分析を身に着けておきましょう。