アメリカの経営コンサルタントであるスティーブン・R・コヴィー著書の『7つの習慣』。

世界中でベストセラーとなり、ビジネスマンの必読書として今なお売れ続けています。

この記事では『7つの習慣』の図解を交えて解説していきます。

第1の習慣 主体的である

第1の習慣 主体的であるの解説図

第1の習慣は「主体的である」ということです。

自身の周りでは日々様々な出来事が起こります。

それらは「自身で影響を与える事ができるもの」と「自身で影響を与えられないもの」に大きく分けられます。

筆者は「自身で影響を与える事ができるもの」を「影響の輪」と呼んでいます。

「主体的である」というのは、「影響の輪」に意識を向け、それを広げていくことです。

仕事で何か問題が起きた際に、「上司の判断が遅いのが悪い」「同僚が見積もりをミスした」と考えるのではなく、「自分が上司の判断を促さなければ」「自分が見積もりをチェックしておくべきだった」といった具体に自分の関与すべき領域を広げていくということです。

別の言葉で自責・他責と言ったりしますが、自責の範囲を広げ、そこに意識を集中させるということです。

第2の習慣 終わりを思い描くことから始める

第2の習慣 終わりを描くことから始めるの解説図

本書では「自分が生涯を終えるときに周囲の人間からどう思われたいか」を思い描き、それを念頭に置いて、一日一日を過ごすべきだと説いています。

この習慣を身につけるには個人のミッションステートメントを書くことが効果的だとしています。

ミッションステートメントは、

  1. どのような人間になりたいのか(人格)
  2. 何をしたいのか(貢献、功績)
  3. それらの土台となる価値観と原則

の3つを書くことが必要だとしています。そして、これが毎日毎日をどう過ごさなければならないのかの指針になるとしています。

長い人生をだけではなく、仕事においても同じことが言えます。

関わっているプロジェクトや案件の理想の結果を思い描き、そこに向けてのステップ・マイルストーンを設定していけば、今日から何をすべきかが見えてきます。

名将・野村克也さんはよく選手とこんなやり取りをしていたそうです。

野村克也

お前はどんな選手になりたいんや?

野球選手

優勝に貢献したいです!

野村克也

どうやって優勝に貢献するんや?

野球選手
シーズン10勝を挙げてます
野村克也

10勝するためにどんな練習をせなあかんのや?

このように終わり(ゴール、目標)を思い描き、必要なステップに分解することで、自分が日々しなければならないことが明確となってきます。

第3の習慣 最優先事項を優先する

第3の習慣「最優先事項を優先する」解説図

第3の習慣は「緊急ではないが重要なこと」を実行することです。

縦軸に「緊急である」「緊急でない」

横軸に「重要である」「重要でない」

としたマトリクスを作り、仕事や普段の活動を分類していきます。

このうち第2領域のことに時間を費やすということです。

つまり、将来のために役に立つ・大事と分かっているが、時間を言い訳にできていないところに、しっかり時間を掛けるということです。

そのためには第4領域の時間は今すぐに減らします。第3領域の活動はかける時間を減らす工夫をします。

第4の習慣 Win-Winを考える

第4の習慣「Win-Winを考える」の解説図

第4の習慣以降は他人との力を合わせて成功を生み出す領域に入ってきます。

「Win-Winを考える」とは、その名の通りお互いの利益となる結果を求めて方法を考えることです。

これを成り立たせるにはお互いの「信頼口座」が貯まっている必要があります。

もしお互いにとって利益となる方法が見つからなければ”No Deal(取引なし)”も視野に入れます。

第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される

第5の習慣 相手を理解するためのステップ

「自分のことを理解してもらうためには、まずは相手を理解することから始める」、これが第5の習慣となります。

Win-Winの関係を築くには、第5の習慣が重要となってきます。

相手の話を聞いている際には自分の考えや経験談を押し付けてしまいがちですが、これでは信頼口座に残高は貯まっていきません。

相手を理解するには「共感による傾聴」が必要であるとしています。

「共感による傾聴」を身につけるには次の4つのステップを実践します。

  1. 相手の言葉をそのまま繰り返す
  2. 相手の言葉を自分の言葉に置き換える
  3. 相手の気持ちを言葉にする
  4. 2と3の組み合わせ、つまり、相手の言葉を自分の言葉に置き換えると同時に、相手の気持ちも言葉にする

第6の習慣 シナジーを創り出す

第6の習慣 シナジーを創り出すの解説図

「人と協力し、大きな成果・効果を生み出す」というのが第6の習慣「シナジーを創り出す」です。

1+1が2よりも大きくなるというのが、シナジーを創り出すメリットです。

シナジーを生み出すには、お互いが自立していることに加え、「高い信頼口座」「Win-Winを考える姿勢」「相手を理解する」があることが必要としています。

こうして互いの違いを尊重し、協力することで、1+1が10にも100にもなるというものです。

第7の習慣 刃を研ぐ

第7の習慣 刃を研ぐの解説図

第7の習慣は、あなた自身を高める習慣です。

人間に備わる四つの側面(肉体、精神、知性、社会・情緒)を育てる、磨くというもの。

肉体的側面

自分の身体のことです。栄養バランスが取れた体に良いものを食べ、十分な休養をとってリラックスし、定期的に運動することです。

精神的側面

あなたの核であり、価値観を守り抜こうとする意志のことです。刃を研ぐ方法は、人によって全く異なる。

「聖書を読み、祈り、瞑想する」という人もいれば、「文学や音楽に没入する」という人もいるだろう。雄大な自然との対話から再新再生を見出す人もいるだろう。

知的側面

継続的に学ぶことで、知性を磨き広げていく努力をすることである。日頃から知識を吸収して知性を広げていこうと思ったら、優れた文学を読むことだとしている。筆者は一ヶ月に一冊のペースで読書を推奨している。

社会・情緒的側面

日々他者と接している中で研ぐことができるため、他の側面に比べそれほど時間はかからないが、訓練は必要となる。

『7つの習慣』まとめ

『7つの習慣』は人間的な成長と成功を支えるために必要な行動、習慣がまとめられています。

ビジネスマンの必読書としてベストセラーとなり、「人生を変えた本」として本書を挙げる方も少なくありません。

本書に書かれている習慣をすべて身につけて、実行するのは容易くはありません。

特に筆者も難しいとしている第5の習慣を完璧に身につけている人はもはや国宝級といっても過言ではありません。

それでも7つの習慣の実践、チャレンジは間違いなく自身の人間性を高めてくれます。

まだ呼んだことがない方にはぜひ手に取って読んでいただきたいです。

この本は1度読んで手放すのではなく、定期的に読み返して、自身の行動についても振り返ってみてはいかがでしょうか?