マーケティング調査会社にアンケートを頼み、納品されるデータをTableauで可視化する手順を解説します。

この記事ではMA(複数回答)をまとめるパターンを紹介します。

調査会社のアンケート納品データの問題点

調査会社のアンケート納品データをそのままTableauに読み込ませても、分析しやすい形にはなっていません。

問題点は次の2点あります。

  1. MA(複数回答)が横持ちデータでTableauに適切な形ではない
  2. 回答が数字コードで分かりにくい

1.MA(複数回答)が横持ちデータでTableauに適切な形ではない

MA(複数回答)は選択肢が横持ちの形です。

回答データが横持ちで分析しにくい

Tableauで読み込ませるには縦持ちの形が望ましいです。

この問題はピボットで簡単に解決します。

2.回答が数字コードで分かりにくい

調査会社の納品データではこちらの方が分かりにくい。

回答データは数字コードとなっています。

回答データは数字コードとなっている。

数字コードの対応表は別シートになって納品されます。

別シートになっている対応表

Excelの置換で置き換えても良いのですが、Tableau Prep Builderを使って、Tableauが読みやすい形に整形します。

Tableau Prep Builderを使ったアンケートデータの整形

おおまかなステップは次の通りです。

  1. MA(複数回答)をピボットする
  2. ラベルを変換する
  3. 出力してTableau Desktopで読み込む

1.MA(複数回答)をピボットする

横持ちになっているデータを縦持ちに変換します。

納品されたデータをTableau Prep Builderで読み込みます。

Tableau Prep BuilderでExcelを読み込む

ピボットのステップを追加して、MAをまとめてピボットします。

MAをまとめてピボットする

ピボットの結果、生成されたフィールドは名前を変更しておくと便利。

ピボットで生成されたフィールド名の変更

これだけで横持ちのデータがTableauに適した縦持ちに変換されたことになる。

2.ラベルを変換する

クリーニングのステップを追加して、質問文と回答分のラベルを変換します。

ラベルの変換

性別など回答パターンが限られているものは、回答文も手動で変換します。

都道府県も手動で変換しても良いが、47都道府県を手でやるのはかなり大変。

MAの回答パターンも数が多い。

そこで「結合」を利用します。

「結合」とは結合句と呼ばれる共通キー(ここでは「q4-1」「q5-12」など)を軸に2つのシートをマージさせるものです。

まずは対応表シートをTableauで読み込ませます。

対応表シートを読み込ませる

まずはMAの回答を変換するため、質問コードをMAのものだけにフィルタします。

ドラッグで回答シートと結合します。

結合句は自動で適切なものが選ばれることが多いのですが、そうならないときは手動で結合句を選択します。

結合句を手動で選択

続いて都道府県ラベルを置き換えるため、対応表シートを再度ドラッグで読み込ませて、都道府県だけの質問にフィルタリングします。

都道府県の質問だけにフィルタリング

これを回答シートに結合させます。

最終的には次のような形。

結合が完了したステップ図

不要なフィールドを削除して、Hyper形式で出力します。

不要なフィールドを削除して出力
不要なフィールドは削除されシンプルになった

MA回答で「0」「1」が入ったフィールドは残しておきます。これがそのままMA回答数を示すことになります。

3.出力してTableau Desktopで読み込む

出力されたHyper形式のファイルをTableau Desktopで読み込みます。

回答コードはメジャーになっていたりするので、ディメンションに変換します。

一部メジャーをディメンションに変換

単式回答の数をカウントする計算フィールドを作成します。

「COUNTD」で回答者固有のIDをカウントする計算式を作成します。

単式回答数をカウントする計算式を作成する

MAは「0」「1」が入っていたフィールドがそのまま回答数を示してくれます。

MA回答数を示すフィールド

これで準備は完了です。

Tableau Desktopで分析

ディメンションの「MA質問文」をフィルタにドラッグして、質問文を選択します。

MA質問文をフィルターにドラッグ

ディメンション「MA回答文」とメジャー「MA回答数」をフィールドにドラッグすれば、MA回答数を分析できます。

MA回答数の表示

出来上がったものをダッシュボードにしてみたので、遊んでみて下さい。

アンケートデータの可視化でお困りの方は、ぜひこちらを参考にTableauでの可視化にチャレンジしてみて下さい。