この記事ではロジックツリーについて解説しています。
こんな方に向けてロジックツリーを分かりやすく解説しています。
ロジックツリーってなに?
ロジックツリーとは、問題の原因・要素をツリー状に分解していくことで、根本的な解決方法を導くフレームワークです。
答えを出すまでの道筋、考える過程を視覚化することで、頭の中が整理されて、論理的に考えることに役立ちます。
ロジックツリーの5つのメリット
ロジックツリーのメリットは大きく5つあります。
- 問題の全体像を捉え、論点のズレがなくなる
- 問題の原因が発見しやすい
- 解決策が探しやすい
- アクションの優先順位を付けやすくなる
- 思考が論理的に整理され、説得力が増す
問題の全体像を捉え、論点のズレがなくなる
ロジックツリーの一番の特徴は問題とその原因の全体像が捉えやすくなること。
これによりチームメンバーと議論する際に、「あれ、今なんの話してるんだっけ?」といった論点がズレにくくなります。
問題の原因が発見しやすい
問題を構成している原因を大きいものから順番にブレイクダウンしていきます。
大きな問題を徐々に深堀りしていくことで、根本原因が探しやすくなります。
解決策が探しやすい
ロジックツリーを使って大きな問題をブレイクダウンしていくことで、要因である小さな問題が明確になってきます。
こうして出た小さな問題に対処することが大きな問題の解決となります。
アクションの優先順位を付けやすくなる
問題の原因に対するアクションを並べてみると、
- 効果の高さ
- 実践までのスピード
- 費用
が明らかになります。アクションを並べてみることで、より効果が高く、素早く実践できて、費用もそれほど掛からない方法、つまり優先順位が高いアクションが明らかになります。
思考が論理的に整理され、説得力が増す
ロジックツリーで問題を分解していくと、自身の思考も整理されます。
問題に対する対処法への道筋も整理されるので、第3者への説明も論理的なものとなります。
これにより上司やチームメンバーを動かしやすくなります。
ロジックツリーの種類
ロジックツリーは大きく次の4種類に分類することができます。
- What(要素分解ツリー)
- Why(原因追求ツリー)
- How(問題解決ツリー)
- KPIツリー
1.What(要素分解ツリー)
物事の要素を分解して、網羅的に把握するためのロジックツリーです。
例えばスマートフォンを例に取ると、大きくはiPhoneかAndroidに分類できます。
iPhoneでも画面サイズやハイエンドorローエンドで様々なバリエーションに分解できます。
2.Why(原因追求ツリー)
問題に対しての原因を列挙することで、根本原因を明らかにするのが原因追求ツリーです。
「彼女がいない」を例にしています。
要因は「候補となる女性がいない」「自分に魅力がない」の2つに分解できます。
「候補となる女性がいない」を「職場に女性がいない」「紹介してくれる友人がいない」「人と会う趣味がない」に分解することができます。
このように要因を分解していくことで、対処すべき原因を特定することができます。
3.How(問題解決ツリー/イシューツリー)
問題に対して解決方法を分解していくのが、問題解決ツリーです。イシューツリーと呼ばれることもあります。
「痩せたい」を例に挙げました。
痩せるための方法は「食事に気をつける」「運動する」の2つに分けられます。
「食事に気をつける」にしても「食べるものを変える」「食事時間を決める」に分けられます。
こちらも分解していくことで、アクションがより具体的になります。
4.KPIツリー
ビジネスシーンでよく使われるもので、KGI/KPIを設定する際に使われます。
KGI(Key Goal Indicator 目標達成指標)を設定し、それを達成するための中間指標としてKPI(Key Performance Indicator 業績評価指標)を設定するものです。
日々のアクションを明確にして、大きな目標を達成を図るものです。
ロジックツリーの作り方、活用方法
ロジックツリーの作り方から活用方法までを紹介します。
- 大まかな流れを作る
- ブレーンストーミングで意見を洗い出す
- 前後の関係をチェックする
- アクションに優先順位を付けて実行
1.大まかな流れを作る
出発点となっている問題から分解して、解決策までの流れを組みます。
ここで大事なのは細かい粒度を気にするのではなく、大まかな流れを組むことです。
2.ブレーンストーミングで意見を洗い出す
チームで複数メンバーで取り組む際にはブレストで意見を出し合います。
メンバーには色んな背景がいる方が斬新な意見が出てきて面白いです。
「ちょっと違うな?」という意見が出てきても気にせずに、とにかく多くの意見を出すことが大事です。
3.前後の因果関係をチェックする
多くの意見が洗い出されたら、前後の因果関係をチェックしていきましょう。
因果関係にならないものは場所を変えたり、階層が違う問題であった場合にはシャッフルする必要があります。
4.アクションに優先順位を付けて実行
アクションまで導けたら、それに対して優先順位を付けて実行に移します。
優先順位をつけるには、「効果が高いもの」「すぐに実行できるもの」「費用が掛からないもの」あたりから実行していくことになります。
優先順位が付けられたら、それに従ってアクションを開始します。
ロジックツリーを作る上での注意
ロジックツリー作成に当たっての注意点です。
- 問題・課題を定義する
- 仮説でブレイクダウンの切り口を探す
- 包含関係・因果関係を意識する
- MECEであること
- アクションに繋がるまで分解する
1.問題・課題を定義する
ロジックツリー作成に当たっては問題をしっかり定義することが必要です。
問題が変わればロジックツリーも変わります。
出発点を「利益率向上」とした場合には、「売上アップ」と「コストダウン」に分けて考える必要があります。
一方で「売上アップ」を出発点にすれば、コストについてはあまり考える必要がなくなります。
このように問題によって作るべきロジックツリーが変わるので、ここをしっかり定義することが大事となります。
2.仮説でブレイクダウンの切り口を探す
要素の分解は仮説をベースに行います。
仮説は100%あっているかどうかを深く意識せずに、とにかくたくさん出すことを意識していくと良いです。
3.包含関係・因果関係を意識する
要素同士の関係を意識するようにします。
包含関係
元の要素と分解した要素の合計が一緒でなければなりません。
例えば人口を男女と年齢層で分解したときには、全体の人口と分解した人口がイコールにならなければいけません。
因果関係
原因追求ツリーなどでは、右の要素が原因となり、左の要素の結果をもたらしているという関係となることを意識します。
彼女ができない理由を「自分に魅力がない」に分解したときに、
4.MECEであること
MECE(ミーシー・ミッシーと呼びます)とは、漏れなく・ダブりなくという意味です。
- M:Mutually(相互に)
- E:Exclusive(重複せず)
- C:Collectively(全体として)
- E:Exhaustive(漏れがない)
の頭文字を取っています。
要素を分解していくと、要素同士が重複したりしますので、それがないように注意を払いましょう。
5.アクションに繋がるまで分解する
ロジックツリーの目的は具体的なアクションを起こすことにあります。
中途半端に問題を分解しただけで、行動するまでに至らなければ意味はありません。
ロジックツリーは必ず具体的なアクションに繋がるまで分解しましょう。
ロジックツリー実践例
ここでは「彼女ができない」という課題に対してのロジックツリーを作っていきます。
大きな問題点としては「自分に魅力がない」「女性との出会いがない」の2つに分解できるかと思います。
「自分に魅力がない」を深堀りすると、「年収が低い」「太っている」「話がつまらない」などの課題に分解していきます。
さらに課題を”具体的なアクション”が見えるまで分解していきます。
このようにアクションが分かるまで分解することで、「彼女を作る」ために何を行えばよいか分かるようになります。
ロジックツリーが作れる便利なツール
ロジックツリーを作るには紙とペンがあれば十分ですが、便利なツールを紹介しています。
Excel(Smart Art)
みなさんが利用しているExcelのSmart Art機能にロジックツリーに適したテンプレートがあります。
「挿入」>「図」>「階層構造」からテンプレートを選んで挿入します。
Power Point(Smart Art)
こちらも皆さんが利用しているPower PointでSmart Art機能でかんたんにロジックツリーのテンプレートを作ることができます。
XMind
マインドマップの作成ツールですが、ロジックツリーと形状が似ているので活用することができます。
本記事のロジックツリーでもXMindを用いて作成しています。
ferret
マーケティング記事を配信しているferretではPowerPoint用のロジックツリーテンプレートを用意しています。
まとめ
ロジックツリーの解説とメリット、作り方を紹介してきました。
仕事やプライベートにおいてモヤモヤっとした悩みなどがあればロジックツリーで整理してみると、頭の中がスッキリすることがあります。
習うより慣れろの精神でぜひ取り組んでみてください。