この記事ではオリラジ中田敦彦さん著書『勉強が死ぬほど面白くなる独学の教科書』のかんたん解説とレビューを書いています。

中田敦彦さんといえば今や勉強系Youtuberとしてチャンネル登録者数が300万人にも迫る勢いがあります。

中田さんがYoutubeで取り上げている題材は、「歴史」「政治」「経済」「文学」など非常に多岐に渡っています。

「一体どうやってこれだけの情報を得ているのだろう?」と気になって本書を手にしました。

中田さんの「独学」のテクニックと個人的に勉強になったこと、感想をまとめてみました。

本書の構成

1章では、現代・これからの時代において「独学がいかに重要か」ということ、すべてのジャンルにおける中田さんの独学勉強法のルールが書かれています。

2章〜5章にかけて「歴史」「文学作品」「政治・経済」「英語」それぞれの中田さん流の勉強方法について詳しく書かれています。

中田敦彦式独学勉強法6つのルール

「独学」は必須スキル

独学は必須のスキル

中田敦彦さんの独学ルールの説明の前に、「これからの時代、独学は必須スキル」であることが語られています。

「独学によってスキルアップできる人」と「独学ができず、スキルアップできない人」との間には大きな差が生じます。

変化の激しい現代を生き抜くために、「独学によるスキルアップ」が欠かせないものとして語られています。

ルール①「読書」の目的を明確に

ルール①読書の目的を明確にする

中田さん自身は読書は苦手と語っています。

しかし、Youtube大学であれほどの量の書籍を紹介できるのはなぜか?

それは読書の目的を明確にしているからだとしています。

中田さんの場合は、「Yotube大学で紹介する」が目的になっているかと思います。

ユーチューバーでない方なら「学んだ内容を企画書に活かす」「旅行前にその土地の歴史を勉強する」といった形で、読書の目的を明確にすることを推奨しています。

ルール②情報収集は「1冊の本」を軸にする

ルール②情報収集はは1冊の本を軸にする

情報収取に最適なツールは「本」です。

ネット情報は「速さ」において優位性はありますが、情報が断片的でもあります。

中田さんの場合は書店で気になるテーマの本を2~3冊まとめて購入、そのうちの1冊を軸に一緒に購入した本やインターネットで情報を補完するそうです。

ルール③本で学んだ知識を体感

ルール③本で学んだ知識を体感する

インプットするだけでは、やがて記憶が薄れてしまいます。

そこで学んだ知識をノートやブログ、Twitterなどで書き出してみるなどのアウトプットすることを推奨しています。

またアウトプットだけではなく「体感」することも同時にオススメしています。

中田さんはイスラム教について本を読んだ後にモスクを訪れたりしたそうです。

他にも歴史や小説の舞台を実際に訪れると知識の定着が格段に上がります。

ルール④「誰かに話すこと」を前提に本を読む

ルール④「誰かに話すこと」を前提に本を読む

誰かに話すことを前提に本を読むと、情報を整理しながら読み進めるため、理解スピードが早まります。

1冊本を読み終えたら、その本の要約やオススメポイントを周りの人に紹介してみると良いのではないでしょうか。

ルール⑤「テレビ番組」を学びのツールにしない

ルール⑤テレビ番組を学びのツールにしない

歴史や世界情勢を学べる教養テレビ番組は数多くあります。

しかし、テレビ番組は尺やスポンサーの都合で、大事な部分が割愛されたり、内容が薄いものを引き伸ばして伝えられたりします。

ルール⑥「歴史」を軸に、その他の分野を横展開

ルール⑥歴史を軸に、その他の分野を横展開

日本史と世界史の流れを理解して、その軸で文学、政治、経済、アートを学ぶことがオススメされています。

歴史を軸にすることで、学んだことが頭の中で体系立てて理解できるからです。

個人的なことですが、私は学生時代は世界史が得意(センター試験は満点)だったので、世界情勢のニュースなんかはとても早く理解することができます。

個人的に勉強になった箇所

第2章以降は各ジャンルごとの中田さんの勉強法が紹介されています。

個人的に勉強になった箇所をピックアップしてみました。

歴史の独学勉強法

特に勉強になった箇所は3点です。

  • 歴史の流れにフォーカス
  • 「なんで?」を掘り下げる
  • 人物にフォーカス

歴史の流れにフォーカス

歴史を学ぶ上で一番大切なのは大まかな流れを把握するということです。

細かい年号や出来事を把握しようとしてもなかなか難しい。

そこで大まかな流れを把握することから始めると良いでしょう。

日本史なら「弥生時代、飛鳥時代、平城京・平安京、鎌倉時代・・・」といった形です。

またそれぞれの時代において、人々がどんな生活をしていたのか、何がキッカケで次の時代に移っていったのかを把握しておくと、細かい出来事の把握にも役立ちます。

「なんで?」を掘り下げる

歴史を学ぶ上で「なんで?」を掘り下げると、出来事の繋がりが見えてきて面白いです。

本書では「元寇と鎌倉幕府の衰退」を取り上げています。

2度に渡る元の襲撃を退けた鎌倉幕府でしたが、その後に衰退・滅亡の道を辿ります。

「なんで元を退けたのに鎌倉幕府は衰退したのか?」といった「なんで?」」を掘り下げると理解が深まります。

元の襲撃を退けた幕府でしたが、味方武士に恩賞が与えられず、求心力が失っていきました。

このように「なんで?」を掘り下げると当時の人々の暮らしや制度などの理解が深まっていきます。

人物にフォーカス

学校の教科書では成し遂げた偉業にフォーカスされがちですが、この本では偉人の人格や「しくじり」にフォーカスを当てることを推奨しています。

その上で、偉人にキャッチコピーを付けると面白いとも。

例えば、

  • 織田信長→バイオレンス&イノベーション
  • 豊臣秀吉→スピード&コミュニケーション
  • 徳川家康→パーフェクトコントロール

といった形です。

このようにすると、歴史上の偉人に親近感を覚えて、成し遂げた偉業や人物像を理解しやすいです。

「文学作品」の読み方

文学史に残る小説の読み方を紹介しています。その中でも特に勉強になったのが、「あらすじ」を頭に入れておくということです。

事前に「あらすじ」を頭に入れておく

明治〜昭和初期にかけて活躍した文豪の作品を読むにあたって、「あらすじ」を事前に理解しておくことを薦めています。

夏目漱石、芥川龍之介、川端康成といった純文学の作品は読みながら時代背景やストーリーを追うのは一苦労です。

そこで「あらすじ」だけでも頭に入れておくことで、文章表現の美しさや人物の心情の移り変わりを理解しやすくなります。

この読み方はあくまで純文学を教養として理解するための読み方です。

江戸川乱歩や松本清張などのように推理小説・大衆文学を読むのにはこの方法はオススメできません(笑)

「政治・経済」の独学勉強法

ここで最も勉強になったことは、「自分の身を守るために勉強する」ということです。

自分の身を守るために勉強する

政治・経済ジャンルを勉強するのは「自分の身を守るため」です。

「政治・経済の出来事が自分にとって関係のないこと」と思うのは全くの間違いで、生々しい現実に対処するために法律・経済・政治などの知識は付けておくべきだとしています。

例えば医療費控除は良い例で、年間で支払う医療費がざっくり10万円を超えるなら、それを申告することで支払う税金が控除されます。

それを知らずに申告しなければ、控除が効かず、支払う税金は多くなってしまいます。

このように政治・経済ジャンルの勉強というのは自分自身と自分の資産を守るためなのです。

「独学」は自分を高める武器となる

本書は第5章に「英語の独学勉強法」がありますが、私は海外生活経験もあってバイリンガルなので、この章は読みませんでしたので割愛します。

「独学」はこれからの時代において、自身のスキル・能力を高めるための必須のスキルです。

「本を読むのが苦手」「活字を読むと眠たくなる」という方はぜひ『勉強が死ぬほど面白くなる独学の教科書』を手にとって、新しい世界に飛び込んでもらえたらと思います。