外出自粛期間にこれまで気になってはいたけど読めていなかった本を色々読んだ。
その一つが『スタンフォード式 最高の睡眠』
長年、不眠症や昼間の眠気などで悩まされてきた。そこでこの本によって睡眠障害に何かしらの改善が見いだせればと思い、この本を手に取った。
『スタンフォード式 最高の睡眠』について
世界最高峰とも称されるスタンフォード大学の睡眠研究。
そこでの研究結果を噛み砕いて分かりやすく説明して、眠りの質を高める方法を紹介してくれているのが本書。
「世界の名だたる企業の重役を多く排出しているあのスタンフォード大学!」
ということで、大ベストセラーともなった。
率直な感想「方法はあまり書かれていない」
この書籍が気になるという人の多くはこんな悩みがあるのではないかと思う。
- しっかり寝たのに、スッキリ起きれない
- 十分な睡眠時間を取ってるのに昼間眠い
- 夜、なかなか寝付けない
僕もこのような悩みがあって、この本を手にとってみたのだが、「参考になる具体的な方法はあまり書かれていないな」というのが正直な感想。
睡眠そのもののメカニズムや睡眠が人に与える影響だったり、活躍するビジネスパーソンやアスリートが睡眠を大事にしているという話がこの本の大部分を占める。
上に書いたような睡眠に関わる悩みがあって、それを解決しようとこの本を購入しても身になることは書かれていない。
寝る直前に体温を下げる、寝る2時間前に食事を済ませる、夕食は脂っこいものを控える、深酒はしないなどなど、これまで睡眠に関わる悩みを抱えてきた人はネット記事でこのようなことを散々目にしてきたはず。
残念ながら、それ以上のことはこの本には書かれていない。快適な眠りを得る方法は無料で読めるネット記事をいくつも読んでもらった方が良いと思う。
睡眠に関わるメカニズムとか睡眠と幸福度の関係とか、睡眠雑学について詳しくなりたいなら適しているかも知れない。
個人的に勉強になったこと3つ
「内容が薄い」「具体的な方法があまりない」と酷評してきたが、勉強になることがまるでないわけではない。個人的に勉強になったことは3つほど。
①入眠後の最初の90分が大事
睡眠は量も大事だが質を高めることも大事。その中でも入眠後の最初の90分が特に大事という点ということ。
この時間に細胞の代謝に関わる成長ホルモンがもっとも多く分泌されるのだとか。
最初の90分の質を高めるために、この本で紹介されていることを実践すると良いのだろう。
②皮膚温度と深部体温の差を小さくする
体温には皮膚温度と深部体温の2つがあり、この差を小さくすることが快適な入眠に繋がるという。
通常の覚醒時には深部体温の方が2度ほど高い。
体温を上昇させると、汗をかくなどしてもとの体温に戻そうとする。このとき深部体温は元の温度よりも低くなる性質がある。
そこで入浴を利用して深部体温をコントロールすると入眠しやすくなるのだそう。
具体的には寝る90分前に40度のお湯に15分つかるのが良いそうだ。
時間がなくてお湯につかれないときにはシャワーで調整すると良いそう。なお体温を上げるといっても激しい運動はNG。
③寝る前に脳に刺激を与えない
「スマホやPCのブルーライトは覚醒効果があるので寝る前は見ないようにする」
これはよく聞く話だが、ブルーライトはそこまでの影響は及ぼさないそうだ。
それよりもスマホやPCから大量の情報を得て、脳に刺激を与えることの方が有害だそう。
スマホ、PCだけではなく、マンガや推理小説などのワクワク感を与えるものは控えた方が良いそうだ。
『スタンフォード式 最高の睡眠』レビューまとめ
良質で日中のパフォーマンスを向上させるほどの快適な睡眠を得るための具体的な方法はそれほど紹介されていない。
睡眠研究の結果やデータの紹介がそこを学びたいなら良いが、睡眠の質を向上させる方法をてっとり速く知りたいというなら本書はそれほど役に立たない。
とても売れた本なので、ブックオフなんかでも良く売られている。正直立ち読みだけでも十分ではないかと思う。
マンガ版も出ているので、こちらでも十分な気がする。